シンガポール現地採用中年サラリーマンの思ったこと

シンガポール現地採用中年サラリーマンが思ったこと

これから外国人にとってのシンガポール

最近いくつか雇用関係についてニュースが出ています。

【今起きていること】

シンガポール人のHR Manager(人事採用担当)がLinked Inで投稿した内容が盛り上がったためMOM(Ministry Of Manpower)の人が、直接会話して、同じくLinked Inに記事を投稿しています。https://www.linkedin.com/company/ministry-of-manpower/

簡単に言うと、同じポジションでもシンガポール人ではなくて、外国人を採用する。フェアでないということ。

その後関係がたぶんあると思いますが、MOMは47社を採用をシンガポール人にとって不利にしていると、Watchlistに載せられています。どこの会社かは名前は公表されていません。 https://www.channelnewsasia.com/news/singapore/job-hiring-practices-discrimination-watchlist-pmet-foreigners-12993100?cid=FBcna

さらに、MAS(Monetary Authority of Singapore)がもっとシニアのシンガポール人を(外資系)銀行で採用すべきとの意見。

https://sg.finance.yahoo.com/news/singapore-regulator-to-push-for-more-locals-in-senior-bank-roles-024056356.html

 

このコロナ禍において、シンガポールも自国民の雇用を確保し始めています。

どうしてもネットで記事が見つからないのですが、シンガポール人を採用するようにするための施策も取り始めるようです。(シンガポール人を採用した場合、1回目の給与の一部を政府がサポートするとか)

 

【これから】

このような中、発生しうる事態としては、労働ビザの新規取得・更新が難しくなることが考えられます。外資系企業だと、同じ国籍の方が本国とのコミュニケーションがよかったりして、業務的・専門的に同じスペックだとどうしても、ということがあったかもしれませんが、そのような対応が今後できなかもしれません。

給与・コストについて考えてみると、同じ業務をするにしても以下の差があります。例として、日本語がバリバリできるシンガポール人と日本人の駐在、日本人現地採用を比較します。仮にわかりやすいように、給与が5,000ドルとします。

コストと給与を考えると、以下のようになります。

日本人の駐在 >> シンガポール人・PR > 日本人現地採用

何故かというと、

・日本人の駐在は、給与が5,000ドルとしても、住宅費補助・家族の医療費補助・教育費補助がつき、おそらく、子供が2人いれば、12,000ドル以上になります。

・シンガポール人・PRはCPF(年金)に入る必要があり、会社が17%サポートするので、コストは5,850ドルになります。

・日本人現地採用はそのまま5,000ドルですね。

なお、普通の会社で働く日本人が取得する労働ビザはEPとSpassという発行できる種類に差があり、EPには数の限りはないですが、Spassはその企業にいるシンガポール人の割合によります。EPの場合は給与が高くないといけないので(それだけお金払っても、シンガポール人でなくても雇わないといけないという意味)企業のコスト面の話からだけするとSpassの方が安くてすみますが、そうは簡単にはならないという仕組みです。シンガポール人をたくさん雇わないと、外国人を安くは雇えないということ。

おそらく、コスト的は話しだったら駐在の人を雇うならばローカルの人何人も雇えるじゃないか?となります。確かにその通りです。

ただし、基本的に仕事は自分の仕事を定義し、それ以外は基本やらないという外国のカルチャの中、そこは上の人がうまく采配をできないと、さらに評価制度をうまく作らないとうまくいきません。人の間に仕事が落ちてうまくいかないでしょうね。じゃあ、どうすればいいか?ということで、シニアなポジションにシンガポール人をつけて、シンガポール人でうまくやってくれなんでしょうね。ある部分を切り出して、人件費・ボーなるの配分も業績に応じてうまく配分せよ、とするとうまくできるかもしれません。ただし、そうなるとブラックボックス化するリスクがあり、うまく可視化できる仕組みも入れながらそうった組織を作るのはありでしょう。まあ、事務・営業とかはそれでいいかもしれませんね。シニアにシンガポール人がいるのはいいことで、すべて日本人だったら、行きつく先結局日本人のボスが日本から派遣されるのか、、、と少し経験を積んだら皆さん転職してしまいそうですし。

何となく方向性は、いろいろ今起きていることが、そのままそうなるんじゃないか?というのが私の感触です。

 

私は、日本にいた際にはアメリカ資本の会社の日本法人でした。ほとんどの人が日本人であり、たまに社長や偉い人が本国などから来ていて、日本で所謂現地採用の外国人て同期(日本は新卒採用ですから)に数人という程度だったと思います。かれらも日本の大学を出てそれで新卒採用で入っていたので、まああまり外国人と意識しませんでした。

日本は日本語の壁があるから外国人にとって、働きづらく、かつ通年採用のスキームなので、外国人が入りにくく、外資系企業でも日本企業的なところは多いと思います。

しかしシンガポールでは、基本的に外資が自らの社員を引き連れてきて、立ち上げる・業務を継続するという感じもなくななく、文化はローカルになるというのは難しいのかもしれませんね。

 

日本人現地採用と言うのは少し微妙な位置づけで、マイノリティーだからこそ生き延びえる価値があり、実は駐在の人が多い会社だったら、属性的にはあまり意味がなく、能力的な有意差がないとダメなんだろうな、とつくづく思いました。

今後、ローカルの人と差がないのであれば、淘汰されてしまうようになるので、切磋琢磨が必要なんだろうな、と思います。